8月上旬:夏山シーズン到来!南アルプスの貴公子・甲斐駒ヶ岳へ〜山頂アタックと涙の夕立編〜
皆さんこんにちは!山ガールになりたい女子・齋藤です!
前回の記事に記載したとおり、寝不足MAXの状態で甲斐駒ヶ岳に向けて出発した我々(´ω`)('ω')
「南アルプスの貴公子」とも呼ばれる甲斐駒ヶ岳は、美しい山容と、山頂付近の白い花崗岩が特徴的です⛰
鷲尾さんにとっては、南アルプス最後の百名山!(他の9座を登頂したのは約20年前( ´ ▽ ` )空白の期間長っw)
「南アルプスは山が深くてスケールが大きいよ〜」と聞いていたので、「どんな景色が見られるだろう」とワクワクしていました🎶
しかし、我々を待ち受けていたのは、猛暑、夕立、夏山の脅威でした。
前回の記事の冒頭にも記載した通り、今回の登山が今までで一番辛い登山となったのは、なかなか読む事が難しい「天候」というファクターが大きく関係します。
限られた夏山シーズンの中で、隣り合わせとなる夕立の危険。
知っておいて損は無い、「落雷」の知識。
実際に鷲尾さんに教えてもらった内容もラストにご紹介します!
前置きが長くなりました( ´_ゝ`)
早速行きましょう٩( ᐛ )و
ここ標高いくつ!?思わず確かめたくなる猛暑😱💦北沢峠〜仙水峠〜駒津峰
学生さん達:おはようございます!
齋藤:おはようございまーす( ´ ▽ ` )🎶←あいさつ隊長
鷲尾:我々もテントで泊まっていれば…(´ω`)
齋藤:寝不足にならずに済んだかもな(´-ω-`)言うな、相方よ、声に出すと辛くなる…
齋藤:それにしてもあっちーな(´・ω・`;)夏山って標高高くてもこんなに暑いんだ💦
鷲尾:いや…そんなことは(´・ω・`;)
鷲尾:雲海が広がってるよ(*´ω`*)
齋藤:すごーい(*´∀`*)
…なんて感動していたのはこの時だけ。
後にこの美しい雲達が、恐ろしいモンスターとなる。
どうでもいいけど、鷲尾さんの格好ってだいぶ色がとっ散らかってんな🤭
鷲尾:この靴スゴイんだよ!靴に歩かせてもらってる感じ(´・∀・`)✨
齋藤:そりゃ良かったのう(´-ω-`;)それよりあっつくねーか💦!?←クソ自己中マイペ
鷲尾:標高は上がっているんだけど、この暑さはなかなか(´・ω・`;)
ということで、以前御嶽山で熱中症になった反省も踏まえ、今回は多めに水を持参し、とにかくこまめに水分補給しました!
息が上がって来たところで
齋藤:ちょ、、ストップ(´-ω-`;)ハア
鷲尾:お水飲む(`・ω・´)?
齋藤:うむ、頼む(´・ω・`;)
鷲尾:あいよ(´・∀・`)←給水担当大臣
時折風が吹くと涼しいのですが、この日の午前中はほとんど風が無く、森林限界が近づき、周囲の樹高が低くなるにつれ、比例して上がる高度と共に容赦無く日射しが照りつける(´⊙ω⊙`)アーチーチーアーチー♪燃えてるんだろうか〜!
一旦駒津峰で休憩します🌟
齋藤:近づいているんだろうけど、甲斐駒ヶ岳…随分遠くねーか!?
鷲尾:ここから山頂までのコースタイムは、約1時間半だね(´・ω・`)
齋藤:っていうかあの山、どうやって登るの?
鷲尾:小さくだけど、人が列になっているのが見える?(←巻き道ルート)
齋藤:あのルート、山頂まで果てしなくね(´・ω・`;)?
鷲尾:だから我々はヘルメットとグローブを持参したんじゃない(`・ω・´)直登ルート行くよ
齋藤:いよっしゃψ(`∇´)ψ
鷲尾:ここから提案なんだけど、齋藤さんはザックをこの駒津峰にデポして、空身で登ってもらおうと思う(`・ω・´)
齋藤:え(´・ω・`)?
鷲尾:ザックを背負った状態よりスピーディーに動けるはず(`・ω・´)レインウェアや行動食は、僕のザックに入れる
齋藤:ウルトラライト的な(´・ω・`)?
鷲尾:分かりやすくするとそう(`・ω・´)
と、いうわけで、最低限の貴重品だけMAMMUTのポシェットに詰め込み、空身で山頂に挑みました٩( ᐛ )و
鷲尾閣下、荷物増やしてごめんなさい🙇♀️
駒津峰から甲斐駒ヶ岳山頂へ!直登ルートを岩登り
空身になって一気に身軽になり、身動きが楽チンに٩( ᐛ )و
その分勢いでスピードを上げてしまい、一気にバテる💦←ダメじゃん
齋藤:ハアハア(。-∀-)
鷲尾:飛ばしすぎだよ(´・ω・`)
駒津峰から巻き道・直登ルートの分岐までは、アップダウンのある岩場が続きます。
道が混んでいた為、時間もかかりました><
齋藤:コレ、落ちたら死ぬやつだよね(´・ω・`;)ゴクリ
鷲尾:急斜面に見えるけど、稜線の幅もあって斜度もそこまでではないから、滑落死の危険は少ない。それに、花崗岩は見ての通りザラザラして滑りにくい。きちんとしたトレッキングシューズだから、例え滑っても摩擦がかかって、ある程度で止まるはずだよ。
実際に登ってみて感じましたが、しっかりしたトレッキングシューズであればほとんど滑りません。(鷲尾さんはLowaの靴で、ほぼホールド無しでもガシガシ登ってた…)
ルートは分かりやすく岩にペンキマークで示されているので、ホールドとスタンスが確保出来れば、三点支持でガシガシ岩登り出来るので楽しいです!
無我夢中で岩登りを進めて行くと、体感的には「あっという間」に、山頂付近に到着しました!(←実際にコースタイム計らなかった)
しかし、振り返ると…
齋藤:一気に雲が…
鷲尾:昨日山小屋の人が「ここ暫くは夕立が無い」って言ってた。山頂には長居しないで、早めに下山した方がいいかもね。
齋藤:(´・ω・`)?←言葉の意味を理解出来て無い
とはいえ…
軽めの行動食を平らげ、急いで下山!(名残惜しかった><)
帰りは巻き道ルートで下山します٩( ᐛ )و
鷲尾:多分この道、砂礫で滑って足取られると思うから、はい!(`・ω・´)ノストックー
実際、鷲尾さんの言う通りかなり滑りまして、一人で「キャー😱」「ギャー!!」「うおあー🤪」なんて叫びながら降りていたら、鷲尾さんから「踊ってるみたいww」と笑われました( ´_ゝ`)
疲労と夕立のダブルコンボで号泣下山。゚(゚´Д`゚)゚。
岩綾帯を長時間歩くと、いくら優秀なトレッキングシューズでも、足にはショックがガンガン来ます。
駒津峰に戻って来た頃には足に疲労が溜まってきていました。
あわせて、空はいつ雨が降ってもおかしくない状況に…
鷲尾:少し休憩して、一気に下るよ。
齋藤:う、うん(´・ω・`)
デポしていたザックをピックして、いそいそと下山。
しかし、駒津峰から出発してものの数分で雨が降って来ました。
幸いすぐに樹林帯に入ったものの、雨脚はどんどん強くなり、急いでレインウェアを着用。
その時
ゴロゴロゴロ⛈
齋藤:あーごめんなさいごめんなさい💦!>< ←謎の謝罪
ゴロゴロゴロ⛈
齋藤:あーごめんなさいー(;ω;) ←ひたすら謝罪
鷲尾:齋藤さん、急いで(`・ω・´)!
齋藤:分かってるよー(((;゚Д゚)))ふるふる
その時
ツルッ!ドテッ!←齋藤が転倒🤪ポンコツ
齋藤:あ”ーーーー。゚(゚´Д`゚)゚。号泣スイッチオン
ゴロゴロゴロ⛈
齋藤:怖いーーあ”ーー。゚(゚´Д`゚)゚。大号泣
鷲尾:辛いし痛いし怖いよね…でも、お願いだからもうちょっと頑張って><
齋藤:分かってるよーあ”ー。゚(゚´Д`゚)゚。
樹林帯を抜け、仙水峠に到着。
しかしゴーロ帯でも…
鷲尾:お願いだから、もうちょっと急いで💦><
齋藤:あ”ー。゚(゚´Д`゚)゚。 ←喋れや
ゴロゴロゴロ⛈
齋藤:ううう(;ω;)ヒック
鷲尾:もう少しで樹林帯だから、頑張って><💦
何とか樹林帯に到着。。
鷲尾:頑張ったね!もうそこまで急がなくても大丈夫だよ^^
齋藤:(;ω;)ヒック
鷲尾:怖かったよね(´・ω・`)でも、自分達の身を守る為だったんだ、足痛いのに急がせてごめんね。
齋藤:あ”ーもう嫌あーー。゚(゚´Д`゚)゚。 ←コイツだっっる
こうして精神崩壊したまま、無事(?)麓に下山しました。
夏山の危険⚠️夕立・雷にあった時の対処法とは
ぶーーーーーーん🚗
齋藤:雷…怖かった(´・ω・`)
鷲尾:そうだよね…でも、齋藤さんは泣いていたから気づかなかったかもしれないけど、雷が光ったのが見えたんだ。そこから秒数カウントして、おおよそ20秒弱経ってから音が鳴ったから、あまり近くでは無いと思ったよ(´・ω・`)
✳︎注:音の速さは約340m /秒です。稲光から雷鳴まで4秒なら、1,360mすなわち約1km離れた場所に落雷しているという事です。
齋藤:私がギャースカ騒いでいる間に数えていたの!?
鷲尾:うん(´・ω・`)雷が近いと、光ってから音が鳴るまで速いし、もっと爆音だよ。ピカッ⚡️1、2、ドカーーーン!!みたいな。
齋藤:そっか、、確かにそう考えると(私は)閃光は見えなかったし、音も普段家の中で聞くくらいの音量だったね。
鷲尾:それに雷が近いと、僕のザックにぶら下げているカラビナが電気を感じて、ビリビリ振動するからね(´・ω・`)
齋藤:怖い😱!!!
鷲尾:今回は近くでは無かったけれど、とにかく少しでも早く安全な場所に行かなければならなかった。
駒津峰から仙水峠までは地形としては稜線上で、落雷のリスクは比較的高い。まあ、駒津峰から双児山経由で北沢峠に下る稜線よりは高度が低い稜線だったけれど…。避雷針になるような目立った高木がない灌木帯と樹林帯で、むしろどの木に雷が落ちるかわからないし、実際に雷にやられたと思われる木も点在していたよね。
仙水峠からの下りは、鞍部(コル)から谷間の下りで、地形的には落雷のリスクは若干少ない。けれども、左斜面はハイマツやシャクナゲなどの低木、右斜面はゴーロ帯で遮る物が無いから、万が一落雷する可能性もある。
だから仙水小屋近くの樹林帯までは無理してでも急がせたんだ…ごめんね💦
齋藤:そうだったんだ(´・ω・`)万が一、雷が近かったら?
鷲尾:ピークや稜線などリスクの高い地形から、鞍部や谷などのリスクの低い地形の場所に避難して、避雷針になりそうな高い木の真下は避けて、地面にしゃがみこむ。
しゃがむ時に脚は閉じて、地面に置いている右足と左足は、ぴったりくっつけておく。落雷死のほとんどが、電流が心臓を通って感電しちゃうことなんだ。両足が離れていると、片足から入った電流が身体(および心臓)を経由してもう片足に抜けちゃってアウトだから、出来る限り体内を貫通し辛い姿勢にする。
齋藤:そうなんだ!
鷲尾:あとはどこで発生しちゃうかにもよるけど、例えば森林限界上の稜線にいたら、リスクの低い地形に避難している時間的余裕はないだろうから、国立公園では申し訳ないけれど、ハイマツ帯に無理矢理入って、姿勢を低くするとかね。
齋藤:はあ…(´・ω・`)だからみんな、早朝から午前中に登って下山するんだね…
鷲尾:そう(`・ω・´)昨日山小屋の人が「ここ暫く夕立が無い」って言ってたでしょ?そろそろ来るかなと思って。「雷三日」って言葉もあるから、今日から3日間は天候が不安定かもしれないね。
齋藤:「雷三日」…ってことは、、
鷲尾:明日予定していた鳳凰三山は控えた方が懸命かも。お互い脚もクタクタだし、睡眠不足でロクに眠れてないしさ(´ω`)ゲッソリ
齋藤:ええ( ´ ▽ ` )ゲッソリ
鷲尾:せっかく楽しみにしていたのに、ごめんね…
齋藤:また別の機会に登りに来ればいいよ^^
鷲尾:そうだね!明日は休養日にして、ゆっくり休んで、天候次第だけど、明後日どこかに行くか検討しよう😊💡
鷲尾さんの「雷三日」の言葉通り、翌日以降も南アルプス界隈の天候は不安定となりました。
そして悲しい事に、我々が甲斐駒ヶ岳に登った翌日、北岳で落雷による死亡事故が発生しました。
この場を借りて、亡くなられた方へ、心よりご冥福をお祈り致します。
命に関わる危険な状況下での、鷲尾さんの冷静で的確な判断には、本当にいつも頭が上がりません…
やはり経験値も知識も、私とは天と地ほど離れている。
齋藤:ごめんね、私がグズだから(´;ω;`)
鷲尾:気にしなくていいよ^^むしろ頑張って歩いてくれてありがとう!←神か?
齋藤:もう、こんなポンコツと一緒に歩きたくないよね(´;ω;`)←あったりめーだ
鷲尾:どうして(´・ω・`)?齋藤さんは雷が大の苦手だし、誰だって初めて体験したらビックリするし、パニックになるのも分かるよ(´ω`)何も気にしなくていいよ!←神か?
齋藤:これからも、一緒に登山に行こう(´;ω;`)?
鷲尾:もちろん!だって目標があるじゃない^^これからも一緒に成長していこう!←神なのか?
鷲尾さんの優しさレベルも、私とは天と地ほど差がある…
出木杉君とはこういう人を言うのだろうな(´・ω・`)
鳳凰三山の登山を諦め、翌日は休養日となった我々(´ω`)('ω')
どんな方向転換の舵を切ったのか?
次回をお楽しみに٩( ᐛ )و
☆★To Be Continued★☆