6 月30日・7月1日:剣ヶ峰規制緩和の御嶽山へ慰霊登山〜悪天候で九死に一生編〜
皆さんこんにちは!山ガールになりたい女子・齋藤です。
2014年に発生した、木曽御嶽山噴火を覚えていますか?
死者58人、現在も5人の方が行方不明となっています。
噴火が発生した日は9月の下旬。
紅葉も綺麗な土曜日のお昼時、多くの登山客で賑わう真っ只中、噴火は発生しました。
御嶽山の噴火は「災害」と認定され、警察・消防・自衛隊など多くの方による命懸けの救助・捜索活動が行われました。
私は以前、御嶽山の噴火当時の山頂から生還され、現在も登山ガイドとして活動されている「小川さゆり」さんにお会いする機会があり、お話を伺いました、
小川さゆりさんご本人の著書『御嶽山噴火 生還者の証言』(山と渓谷社出版)を読まれた方はご存知かと思いますが、噴火当時に壮絶な体験をされています。
小川さんから直接お話を伺い、著書を読んだり、噴火当時の情報を調べていく中で
いつか自分の目で現状を見に行こう。
そして亡くなられた方々に哀悼の意を込めて、手を合わせに行かなければ…
という想いが強くなりました。
今まで登ってきた山の頂から、いつも眺めていた御嶽山。
7月1日(月)の開山日に、剣ヶ峰が約5年ぶりに規制緩和されるとの事で、以前から鷲尾さんと開山日当日の登山計画を立てていました。
今回は、開山日当日に実際に御嶽山を登り、我々が見た現状と、私自身が感じた事、学んだ事を記していきたいと思います。
1泊2日の登山でしたが、本当に色んな事がありすぎた…
毎回恒例ですが…今回も長くなるので、複数回に分けて投稿していきます🙇♀️
登山当日は「大雨警報」が発表されるほどの悪天候😱⛈
我々が「御岳ロープウェイ」に到着した時点でお昼前。
既に雨足が強く、風もそれなりにあり、視界はガッスガス。
山頂は愚か山の全体像も全く見えない…
齋藤:(齋藤の経験上)未だかつて無い悪天候( ´ ▽ ` )
鷲尾:「晴れ女」はどこに行った(´・ω・`)
齋藤:ここ(´⊙ω⊙`)でも、こんな天候の中で歩く事もまた一つの経験になるね!
鷲尾:珍しくポジティブだ(´・ω・`)
齋藤:道が整備されているから歩きやすいね!
鷲尾:珍しくポジティブだ(´・ω・`)
御嶽山は火山で水を含まない地質の為、雨が降ると上からの水が一気に流れてきます。
齋藤:いくら整備されていて歩きやすいとはいえ、この雨の水量の状態だと、一歩間違って転んだら危ないね(´・_・`)
鷲尾:一歩一歩丁寧に歩こう(´・ω・`)
ロープウェイで一気に標高約2,150mまで上がるので、当然森林限界までが近い。
八合目の「女人堂」まで、1時間半程で到着。
ここで我々は重大なミスが発覚する!!
当初予定していたルートは、八合目からトラバース道で三ノ池まで行き、宿泊予定の「五の池小屋」を目指すルート。
ところが、事前の下調べが疎かだった我々は盛大にやらかした!
八合目〜三ノ池トラバース通行止⚠️
鷲尾:えっ(´⊙ω⊙`)!?
齋藤:ん?(´・ω・`)どした(←ルートは鷲尾さんに任せきりなので状況分からず)
鷲尾:通行止になってる💦事前にコースを調べた時、ルートは引けたのに…
女人堂の人に聞いてみようo(`ω´ )oo(´・ω・`)oいそいそ
鷲尾:すみません!「五の池小屋」に行きたいのですが、トラバース道が通行止ということは、山頂付近まで直登して、五ノ池まで回るしかないでしょうか><💦?
女人堂の方:そうですね…
鷲尾:分かりました…ありがとうございます、、
齋藤:つまり、登って回り道して行くしかないのだね(´・ω・`)
鷲尾:ごめんね(´;ω;`)ちゃんと最新版の地図を買って調べておけば…><
齋藤:いいよ!気にしない!遠回りになるから、時間もかかるんでしょ?急ごうo(`ω´ )o
鷲尾:うん、そうだね!(珍しくポジティブだ(´・ω・`))
女人堂から先は、森林限界を越える為、周囲はハイマツやナナカマドなど背の低い樹木しかありません。即ち…
悪天候(雨・強風)をモロにくらう🌪
齋藤:さすが信仰のお山だけあって、石像や石碑が多いね(´・ω・`)
鷲尾:関心したのは、齋藤さんって石像や石碑に遭遇する度、「お邪魔します」とか「失礼します」と言って手をあわせたり、お辞儀して行く姿を見たことですね。
齋藤:歩いていてこれだけ沢山の石像や石碑があるってことは、ここは本来神様が住んでいる場所なんだよね。神様の棲家に「お邪魔させて頂く」という気持ちも込めて、自然と言動に出てるのかな(´・ω・`)
御嶽山の石像で印象的だったのは、仏教の釈迦のような穏やかな表情では無く、仁王様の様な睨み顔が多いということ。
御岳信仰は全くの無知ですが、「魔」や「悪」を寄せ付けないという神様達なのですかね。
鷲尾:石碑や石像を熱心に見ているので「何の神様か分かるの?(´・ω・`)」と聞いたら…
齋藤:ぜーっんぜん分からん( ´ ▽ ` )そもそも読めんし
鷲尾:そんな大きい声で言ったらバチが当たるよ( ´△`)
そしてこの後、我々は天罰(?)ならぬ自然の脅威による洗礼を受ける事になる…
メンタル大打撃!標高約3,000m地点で自然からの洗礼
ロープウェイに乗る前から気にしていたのですが、稜線上に出るとやはり風が強く、雨で体感温度は下がります。
雨は強くなる一方ですが、我々が目指す「五の池小屋」はまだまだ先。
九合目付近から、どんどん視界は悪くなっていきました。
鷲尾:寒くない?大丈夫(´・ω・`)?
齋藤:登りだから、そこまで寒さは感じない。それより、右太ももがなんか…
鷲尾:何?!痛い?
齋藤:うん…でももうすぐ登りが終わって稜線上に出るでしょ?
鷲尾:(´・_・`)
稜線上に出た途端、強風と雨で身体が持っていかれそうに…
少し痛みを感じる右太ももを庇いながら、一歩一歩歩き進めていたら、いきなり鷲尾さんが立ち止まり、正面を見つめて黙り込みました。
齋藤:どったの!?(´⊙ω⊙`)早く進もう
鷲尾:ここから五ノ池まで行くのは危険だと思う(`・_・´)
齋藤:え!?じゃあ、今日、どうするの!?ビバーク!?(←ばか)
鷲尾:ここから少し歩けば着く、「二ノ池山荘」か「二の池ヒュッテ」に空きがあるか聞いてみよう(`・_・´)
齋藤:はい!!?
鷲尾:いい、よく聞いて。まず現在地(二ノ池付近)から五ノ池までのコースタイムを考えて、この天候の中歩くのは危険だよ。恐らく山小屋に辿り着く前に、低体温症になって死ぬ可能性もある。
それに、右太ももの痛みを庇いながら、この天候の中、約1時間弱歩き続けるのは危険すぎる。ずっとこの平坦な道では無く、アップダウンがあるから、痛みを悪化させる可能性が高い。
齋藤:え… でも山小屋の人に迷惑が、、
鷲尾:もちろんそれは承知だよ。でも、命のリスクには変えられない。
私のような登山初心者では、経験値が全く及びませんね。
この時の鷲尾さんの判断は正しく、本当に功を奏しました。
むしろ、この時の判断が無ければ、我々に「死」の危険があったのは間違いありません。
標高約3,000m地点の独立峰、天候が目まぐるしく変わります。
遮る物が無い稜線上では、容赦無く雨風に晒されます。
天候が良い日ならば、登山道も整備されているので歩きやすいと思いますが、我々のような悪天候に遭遇した場合(そもそも「大雨警報」の日に山行かないだろ)、きちんと状況判断が出来る人が一緒にいないと大変危険です。
これ、富士山も同じですよね。
急遽目的地を変更して歩く。
しかし、視界不良で数十m先も見えない。
そんな中、目の前に突如ある光景が…
齋藤:ここって…「ニノ池」?
鷲尾:そう、だね…
齋藤:写真でしか見た事がなかったけれど、本当にそのままだね…火山灰が残ってて。
鷲尾:…
齋藤:ガスってて池の全貌が見えないね。
鷲尾:…
齋藤:(´・ω・`)?
鷲尾:空きがあるか確認してくる!
齋藤:新築の匂いがする(´・ω・`)綺麗だなー
鷲尾:…今日は空きが無いみたい。でも少し先にある「二の池ヒュッテ」ならあるかもしれないって!
齋藤:ではそちらに参ろう(´・ω・`)
そして案の定、登りが無くなり、強風と雨に晒され…
齋藤:寒い😨(ほらな)
鷲尾:(´⊙ω⊙`)ヤバい
齋藤:あとさー…今更なんだけど言ってもいい?
鷲尾:(´⊙ω⊙`)何!?
齋藤:実は九合目あたりから登山靴の中が浸水してて、川に足突っ込んでる状態なんだよね、、
鷲尾:(´⊙ω⊙`)早く言えー!!!
「二ノ池山荘」から歩いて約10分ほど…
「二の池ヒュッテ」に到着しました。
ここで我々は本当に命を救って頂きました。(大袈裟ではなく)
書きながら思い出して、また涙が出るのですが、「二の池ヒュッテ」のオーナー高岡さんの優しさ、温かさ、思いやり、人情…お人柄全てに感動しました。
また「二の池ヒュッテ」に、この人達の優しさに会いに来たい!と思うほど、突如現れたずぶ濡れチビッ子コンビを温かく迎えて下さり、宿泊させて頂いた事に心から感謝しております(´;ω;`)✨
幾つ歳を重ねても、人の優しさや温かさに心揺れる人間でありたいし、人って結局ハートじゃない?
次回、我々の命の恩人であり、お世話になった山小屋「二の池ヒュッテ」様の魅力をたっぷりお伝えします!
(また山小屋情報だけでブログ1記事書きますわよ!!)
☆★To Be Continued★☆