6 月30日・7月1日:剣ヶ峰規制緩和の御嶽山へ慰霊登山〜噴火の爪痕編〜
皆さんこんにちは!山ガールになりたい女子・齋藤です。
約5年ぶりに規制緩和される剣ヶ峰へ向けて、御嶽山の登山に挑む我々。
お世話になった「二の池ヒュッテ」様を後にし、いよいよ剣ヶ峰に向かいます。
約5年ぶりに規制緩和された剣ヶ峰のみならず、現在も噴火の被害が色濃く残る山頂付近。
心苦しくなる光景をまざまざと目にし、何度も胸が締め付けられる想いになりながらも、その悲しみを緩和させてくれたのは、他ならぬ御嶽山の自然と、標高約3,000mから眺める景色でした。
我々登山者は、何を教訓として活かせるのか…
御嶽山慰霊登山編のラストです。
視界が徐々に晴れ、見えてきた噴火の被害跡
注意して頂きたいのが、この辺りから火山ガス、つまり硫黄の匂いが強くなります。
「温泉の匂いだ〜」なんて生易しいものではありません。
風向きにもよると思いますが、この日は風下だったので、山頂までこの匂いはずっと続きます。
火山ガスは硫化水素を多く含むので、長時間吸い込むのは危険です。
齋藤:ちょっとこの匂いキツイね…ずっと吸っていると具合が悪くなりそう。。
鷲尾:長時間吸うのは危険だから、サクッと登って早めに下山しよう。
齋藤:昨日はガスっていたから何も見えなかったけれど、向こうは緑が濃くて、三ノ池もあんなに綺麗なんだね(´・ω・`)
鷲尾:うちら、昨日あの天候の中、更にあの先まで行こうとしていたんだよ( ´△`)
齋藤:絶対無理やん(´⊙ω⊙`)
鷲尾:だからニノ池で留まるのは正解だったでしょって( ´△`)
齋藤:鷲尾様ー🙇♀️殿下ー
齋藤:ねーねー!!向こうに見える山並みって、北アルプスじゃない!!?
鷲尾:む!?(´・ω・)ほんとだ!槍・穂高連峰だ!見えて良かったね😊
齋藤:パアア(*'▽'*)✨
山頂に着くと、3基のシェルターが設置されていました。
正直驚きました。
収容人数がそこまで多くないのと、これ、噴煙は防げないんじゃないのかな…?
噴石から身を護る事は出来ると思いますが、なんというか…「3,000mの山の上ではこれが限界なんだ」というのが正直な感想です。
だからこそ、登山者一人一人が、どうやって自分の身を自分で護るか考えなければならないと思いました。
黙祷を終えて、慰霊碑横の階段を登って剣ヶ峰へ…
階段を降りて来て剣ヶ峰の方を見上げると…
齋藤:ねー!あれ、虹じゃない!?
鷲尾:本当だ(´⊙ω⊙`)
火山ガスの匂いで具合が悪くなりそうなので、そそくさと下山。
ニノ池まで戻って来ました。
姿を現した独立峰「御嶽山」の美しさ
鷲尾:齋藤さん、もうすぐ女人堂に着くよ😊
齋藤:とーっとこー走るよハム◯郎♪(←周囲に人がいないのをいいことに大声で歌う)
鷲尾:またハムちゃんに会えるよ( ´ ▽ ` )
下りは休憩も少なく、結構なスピードで下山しました。
前日は大雨で登山道の両側が川のようになっていましたが、この日はすっかり落ち着いていました。
ここで悩まされたのは虫><!!
顔の周りを飛び回ってくるので、ギャーギャー言いながらブンブンキャップを振り回しました。
今後は防虫対策も考えねば( ´△`)
無事に下山出来た時、鷲尾さんと「本当にお疲れ様(´;ω;`)」とガッチリ両手で握手しました。(←うちらめっちゃ可愛くね?)
色んな事があったけれど、全て身になる体験になったし、何より、また苦楽を共に分かち合えた事で、よりコンビ力が上がった気がします!ね、相棒😎👍
御嶽山噴火跡から感じた事、我々登山者は何を教訓に生かすか…
御嶽山はロープウェイで標高2,150m地点までアクセス出来、且つ登山道も整備されている為、登山初心者の方でも比較的挑戦しやすい3,000m峰だとは思いますが、それは晴れて天候に恵まれていればの話。
アクセスしやすい・登りやすいイコール初心者向けの安全な山では無いと思います。
世界一登山客が多い山「高尾山」はアクセスしやすい、初心者でも登りやすい事ですっかり観光地化されていますが、それゆえ軽装備で来て、1号路の下りで怪我をする人は後を絶ちません。
御嶽山はスケールから何から全く話が違いますが…
御嶽山の最高地点(剣ヶ峰)の標高は3,067mなので、夏でも下界との気温差はマイナス18度。
富士山も然りですが、それを認識して来ている人はどれくらいいるのか。
ロープウェイで2,150mまで上がるので、歩くとあっと言う間に森林限界を越えます。
当然高山病への注意も必要です。
我々のように悪天候の日に挑もうなんて方は(いない事を願うが)、スキルと経験値・判断力が必要です。
3,000m峰の悪天候は、それくらい脅威的でした。
生きるために的確な判断が出来るか。
我々の場合、当初予定していた「五の池小屋」までは行けないという事で、「二の池ヒュッテ」に泊まらせてもらえるようお願いし、快く受け入れて頂けました。
私達は、臆病者だと思いますか?
そう仰る方もいるでしょうが、私達は生きる為の判断をしただけです。
鷲尾さんが、自身の経験と知識の引き出しをフル稼動して下さり、的確な決断をした事によって、我々はどこも怪我する事なく無事に下山出来ました。
知り合いに「御嶽山に登って来た」と言うと、「危なくないの!?」とよく言われます。
気象庁が発表している日本の活火山(※概ね過去1万年以内に噴火した火山及び現在活発な噴気活動のある火山)は111あります。
そのうち、御嶽山と同じ噴火警戒レベル1の山が、日本にいくつあるかご存知ですか?
御嶽山が噴火した当時、発表されていた噴火警戒レベルは1でした。
そして現在も、そのレベルは変わりません。
噴火当時から変わったことは、シェルター(避難壕)が3基設置されたこと。
噴火警戒レベルを出されている山は、御嶽山のような噴火の可能性はもちろんあります。
極論、「火山には登らないというのも、身を護る上で選択肢の一つでしょう」と仰る方もいらっしゃいました。
それも一つですが、自分が仮にそのような状況になった場合、どのような行動を取るのか、是非想像して頂きたいです。
噴煙、熱風…だけではなく、巨大な噴石が時速200〜300kmで飛んで来たりします。
装備は、携行しているだけでは意味がありません。
例えばヘルメット…御嶽山と同じ警戒レベル1の他の火山で着用を義務付けているところは少ないですが、だからと言って着用しなくて良いのでしょうか?
例えば地図…鷲尾さんのモットーは「地図をザックの中に入れておいても無意味!せめてすぐ取り出せるポケットか、できれば常に持ちながら現在地確認をすべし」だそうですが、今回は地図を読む余裕さえない悪天候に見舞われました。
例えばレスキューシート…前回の鈴鹿・御池岳の登山でウィンドブレーカーが浸水してしまった私は、そのありがたみを身をもって知りました。
きちんと的確なタイミングで使いこなせなければ、装備としての意味をなしません。
以前、登山ガイドの小川さゆりさんにお話を伺った際に仰っていた印象的な言葉が
自然相手の登山に100%の安全はない中で、どれだけ安全に近づけられるのか準備は必要だと思う。安全登山のための準備は自分の命を守るためにするもの。
生命を守るために必要な装備…使うべきタイミングをきちんと見極めるのも、登山をする上で必要な心構えですよね。
御嶽山噴火を風化させない為に、我々登山者一人一人の心構えは何なのか、皆さんにも考えて頂きたいテーマです。
そもそも論、日本は火山の国なので、お山が元気なんですよ。
日本人が大好きな温泉って、火山で地下水が温められて湧くものですよね。
日本の観光資源として人気の温泉は火山のおかげだという事を、多くの人が忘れがちです。
火山は、噴火によって成長します。(破壊と創生みたいな)
御嶽山は、きっと昔から噴火を繰り返して、あれだけ大きな独立峰になったんですよね。
ニノ池、三ノ池、五ノ池など、全て火山の噴火跡に長い年月をかけ、水が溜まって出来た池です。
下山中、天気が晴れ、姿を現してくれた御嶽山を見て、本当に立派で美しい山だと思いました。
沢山の経験と思い出を噛み締めながら帰路へ
ぶーーーーーーん🚗
齋藤:ふー(´・ω・`)🍦←アイス食ってる
鷲尾:ご苦労様😊疲れたよね。
齋藤:鷲尾さんこそ、疲れてるのに運転させてごめんね…私に免許が無いばっかりに💦
鷲尾:むしろ齋藤さんが運転したら恐いから結構です(´⊙ω⊙`)大人しくアイス食べてて!
齋藤:なんか、2日間で色んな経験やら感情がてんこ盛りで、こんなに思い出に残る登山は初めてかも(´・ω・`)🍦
鷲尾:実際に噴火跡を見るとショックが大きいね…
齋藤:そうだね、、でも学んだ事も沢山ある!実際に自分の目で見て感じた事を、自分の言葉でまたブログに書いてみるよ(´・ω・`)🍦
鷲尾:うん😊あ!富士山が綺麗に見えるよ!
齋藤:おかえりーって言ってくれてる気がする(´・ω・`)🍦
鷲尾:そうだね😊(内心:コイツ相当疲れてるな)
帰宅後、齋藤を襲った不調😱🌀
お家に着いたら、強い吐き気と頭痛に襲われグッタリ…
顔の火照りがなかなか取れない。。
翌日☀️
リンリンリーン☎️
鷲尾:どしたね(´・ω・`)?
齋藤:コレコレしかじかで…
鷲尾:カクカクうまうま…というわけだね(´⊙ω⊙`)
齋藤:うーーーー( ; ; )
鷲尾:そりゃ熱中症じゃな(´⊙ω⊙`)
齋藤:やっぱり(´;ω;`)
鷲尾:ごめんね、昨日下山中こまめに水分補給させれば良かった><
齋藤:吐き気は落ち着いたから、とりあえず今日は冷えピタ貼って安静にする(´;ω;`)
鷲尾:それが良い(´・ω・`)水分しっかりとってね
3,000m峰では、こんなにも日差しと紫外線が容赦無いのか…という事をまた一つ学びました。
ここまで読んで下さった皆さま、本当にありがとうございました🌟!
☆★おまけ★☆