【山あるきへの招待状】山に魅せられたインドア女子の成長記録

本格山女を諦めた、ただのインドア女のブログ

薬物依存症治療中の友人と向き合う

みなさん、こんにちは!齋藤です。

 

さてさて、今回のタイトルですが、私はこの”依存症治療”に励む友人と、この数ヶ月間向き合う中で、彼女の経験談をブログにまとめたいと思いました。

彼女にその旨を伝えると「構わないよ^^」と快諾してくれたので、今回の執筆に至ります。

 

彼女が”過去にしてしまった事”は、紛れも無くいけない事ですが、彼女の話を聞くうちに、「結果として、悪い事をしてしまったけれど、責めるべきは彼女だけではないのかもしれない」と思うようになりました。

ニュースなどで報道される際「薬物を使用(又は所持)で逮捕」と、どうしてもぶつ切りにしか情報が流れませんが、その人達のそこに至るまでの人生、背景について、考えた事はありますか?

 

私の友人は、想像の遥か斜め上を行く人生を歩んで来ました。

聞いている立場から言えば「お前の人生、波乱万丈だな」と思うのですが、本人曰く「いやー…もっと大変な人いるからね。私は全然大したことないよ〜」と明るく返してきます。

それは、彼女が出会って来た人達が私とは全く異なり、彼女自身の物事の尺度が違うからです。

彼女はいつも明るくて、依存症の治療に対しても、前向きに取り組もうと努力しています。

私にとって彼女は、物事の価値観や尺度を広げ、知らない知識を学ぶ機会をくれた存在です。

 

そんな彼女との出会いからお話します。 

友人との出会い

同い歳の彼女とは、5年以上前に当時の職場で出会いました。

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”明るくてハキハキした子”というのが第一印象。

裏表が無く、誰とでも仲良く出来る、正にコミュ力おばけ。笑

当時、職場に同い歳の人がいなかったので、私達はあっという間に仲良くなりました。

食事に行ったり、プライベートでも遊ぶ仲になり、彼女が転職してからも、交友関係は続きました。

 

そんな彼女の異変に気が付いたのは、当時彼女が恋人と同棲していた自宅に遊びに行った時のこと。

お酒を飲んで酔ってるわけでも無いのに、目がとろ〜んとして気怠そう。

調子が悪いのかな?と思い、その日は長居せず、早々に帰宅しました。

後々知ったのですが、彼女はこの時、薬物の使用と睡眠薬をODしていたそうです。

睡眠薬が効いていたので、この時の記憶はほとんど無いそうです。よくまあ会話が成立していたな…)

 

数日後、突然彼女から電話がかかってきました。

 

📱<prrrrr..

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友人:どうしよう!万引きして捕まって、彼氏に振られるかも!家追い出されるかも!

はああああああ!?

彼女は号泣し、パニックになりながら話していましたが、聞いてるこっちもわけが分からん!

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日本語でおk⁉️

齋藤:っていうか、何で万引き?

 

聞くと、彼女は常習的に睡眠薬をODしており(1ヶ月分で処方される量を1週間で飲み切るレベル)、ODしてぶっ飛んでいる間は、記憶もぶっ飛んでいるようで、その間万引きを繰り返していたらしいです。

彼女が通っていた町医者が、規定量の処方を守らないヤブ医者だったらしく、訪れる度「眠れない」と言えば睡眠薬を処方してくれたそうです。

睡眠薬は、心療内科でなくとも、内科や皮膚科などでも処方するお医者さんはいるらしく、彼女はそんな医者を転々と回って、睡眠薬を集めていました。

余談ですが、私が通院している心療内科では、規定内で処方された量を一度でも早く飲み切って不足してしまうと、次回以降同じ薬を処方してもらえません。(これが普通)

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無意識に万引きって、どういうこと…?(理解が追い付かない)

齋藤:そんなの、自業自得としか言えないんだが…

友人そうだよね、ヒック。彼氏ともう終わりかもしれない、ヒック。

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だから、自業自得だって。

彼女に同情する余地は1ミリも無く、寧ろ当時の恋人が気の毒で仕方なかった。

彼女の当時の恋人は、優しくて真面目で純粋な人でした。

 

齋藤睡眠薬のODだけ?他に何かやってない?

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友人:マリファナ

この時彼女は、マリファナ以外にも覚醒剤を常用していたのですが、私に覚醒剤の使用を隠しました。

私も、まさか覚醒剤までは使っていないだろうと思ったので、特に追従しませんでした。

彼女は前科が無かったので、数日間の勾留で保釈されましたが、その後、同棲していた恋人とは別れました。

因みに、彼女は覚醒剤マリファナ睡眠薬のODも、当時の恋人に隠れて使用していたので、元恋人は薬物使用を知らないまま別れました。(とはいえ同棲していたので、異変には気付いていたかもしれません)

 

その後、彼女からの連絡は途絶え、私も「すっごい爆弾を隠されていた」というショックもあり、自ら連絡をする事もなくなりました。

そこから4年近く経った昨年12月、彼女から突然連絡が来ました。 

友人の過去

友人から数年ぶりに、突然メッセージが届きました。

 

友人📩久しぶりー!元気?

齋藤📩:おう、久しぶりじゃん!今何してんの?

友人📩あのさ、電話で話せる?

 

 📱prrrrrr...

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友人:久しぶり!

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齋藤:どしたの、突然。笑

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友人:実はさ…

 そして、彼女と連絡が途絶えていた期間の話がはじまりました。

 

友人あたしさ、元恋人と別れて同棲解消してから、薬物依存症の治療してるんだよね。

齋藤:薬物って、は!!?お前薬物使ってたの?

友人うん。隠しててごめんね…

齋藤:薬物って何よ?マリファナじゃなくて?

友人正直言っていい?

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齋藤:もう何言われてもビビらんわ。笑

友人メインは覚醒剤。でも違法ドラッグって呼ばれてる物は、ほとんど使ったことある…

いやそれはビビる。笑

 

齋藤覚醒剤って、いつから使ってたの?

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友人:16

ビビり倒すわ。笑

 

考えてみれば、私は彼女の生い立ちをほとんど知らない。

16歳で薬物に手を出すに至った彼女の過去について、聞いてみることにしました。

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いつから、どうして、そうなったのか。

彼女が小学生の時に両親は離婚し、父親が引き取りました。

数年後に再婚しましたが、再婚相手の義理の母親は、父親の連れ子だった彼女をよく思わなかったらしく、怒る度に暴力をふるわれたそうです。

中学生の頃、家庭環境がグチャグチャになり(この頃は家庭環境が”悪い”と言うより”悲惨”だったと言います)、「家から出て自立したい」と考えるようになりました。

彼女は高校に進学せず、キャバクラとコンビニで働きながら、一人暮らしをするようになりました。

その頃薬物に出会い、日常的に使うようになったと言います。

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後悔は無い。

齋藤:因みにさ、私と一緒に働いていた時も使ってたの?

友人もうずっとだよ。むしろ薬が無いと仕事出来なかったと思う。今はあの時と同じ仕事、絶対に出来ないよ。

齋藤:全然気が付かなかった。仕事バリバリこなしてたし。

友人:薬物常用者とか、実際に使用している人を見た事がある人だったら気付くかもしれないけれど、普通の人から見たら分からないのかもね。一度職質された時に、バッグの中身をくまなく調べられたから、警察とか薬物使用者を頻繁に見ている人からすれば、挙動で引っかかる部分があったのかも。

 

薬物って、知ってるようで案外知らないんだな〜と思ったのが、私も当時一緒に仕事をしていた周りの人間も、彼女が薬物を使っていると全く気付かないくらい、見た目だけじゃ分かりませんでした。

視線や呂律や奇行だったり、何かしら分かりやすい症状が現れるのかと思っていたのですが

友人人によるみたい。使用量が多くて効き過ぎていた時は、多分私もおかしかったと思う。瞳孔を見て気付かれるんじゃないかって思ってた。

齋藤:瞳孔?

友人覚醒剤を使ってると、瞳孔が開くって言われてるんだよね。

そんなん分かるかい。笑

友人が依存症治療で学んだこと

友人治療するようになってから気付いたんだけどさ、”依存症”の人って家庭環境が良くない場合がほとんどなんだよね。愛情不足っていうかさ。私みたいに、10代から使ってた人もザラにいる。家にいたくなくて、グレて、友達だったり恋人が使ってて一緒に…ってパターンも多い。そういう心の隙間に、悪い大人って付け込んでくるんだよね。10代なんて、その先の事を深く考えないじゃん。

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齋藤:お前は何で使おうと思ったの?

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友人:好奇心だけだよね!

草生える。(護衛チームカモン!!)

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パッショーネ

友人治療するようになってさ、薬物を絶つってこんなに大変な事なんだって知ったよね。後遺症もあるし、薬物の誘惑と一生闘わなきゃいけないし、色んな葛藤も、人には理解されないから話せない。全部自業自得なんだけどさ。

齋藤:薬物を使ったこと、後悔してる?

友人使った事は後悔してない。でも、結果的に沢山の人に迷惑をかけてしまったことは反省してる。元彼や友達との人間関係を自分で壊したようなものだから…。勿論考え方は人それぞれだから、”依存症”になって後悔してる人も多くいるけれど、私は仮に16歳で使って無くても、その後の人生のどこかで使ったと思う。

齋藤:何で?

友人ずっと興味があったから。使ってみたいって好奇心が強かったんだよね。

大草原。(護衛チームカモン!!)

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お怒りブチャラティ

齋藤:何でそんなに興味持っちゃったのよ。笑

友人多分、メディアの影響が大きいと思う。”こういう感じになる”ってニュースとかで報道されるじゃん?アレで無駄に好奇心を煽るような知識を得ちゃったよね。

 

よく「痩せる」なんて聞きますが、彼女も薬物を使って無双している時は、食べなくても、寝なくても平気でバリバリ働ける状態だったそうです。

食べなくても余裕で活動出来ちゃうから、その結果「痩せる」に繋がるんだと思います。

 

齋藤:しかしさ、毎日使ってたら、お金馬鹿にならなくない?(覚醒剤は他の違法ドラッグと比較しても圧倒的に高額です)

友人体を売ればどうにかなったんだよね。私の場合、一緒に使って、お金もくれる人がいたから。

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齋藤:そりゃやめれねーな。

友人そう。しかも、使用期間が長くなると、身体に耐性が出来てくるから、どんどん使用量を増やさないと効いてこなくなる。元彼と別れる直前の頃は、なかなか効かなくなってて、薬が効かないと、何もする気になれないんだよね。無気力状態って言うのかな。何をするにも薬がいる。薬が無いと、日常生活もままならないって感じだったよ。

 

数年ぶりに彼女と話すようになって驚いたのが、「こんなに語彙力無かったっけ?」と気付きました。

「思い出そうとして、なかなか言葉が出てこない」という感じではなく、「これって何て言ったら(表現したら)いいの?」という、そもそものボキャブラリーが無い状態。

以前はそんな事無かったのに…

 

彼女にその事を言うと

友人後遺症だと思う。数字も5以上を数えられないんだよね。数えているうちに、今いくつだっけ?ってなるんだ。

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友人:これから年齢を重ねるにつれて、後遺症はもっと増えてくると思う。

当事者(友人)が語る”依存症”について

まず、”依存症”と一口に言っても、対象物は様々で、よく認知されている物だと、薬物、アルコール、ギャンブル、市販薬、セックスなどでしょうか。(もっと細かくありますが、分かりやすいところで)

友人から教えてもらった中で、案外依存者が多く、あまり認知されていないのは睡眠薬だと思います。

友人曰く、依存対象の中で危険度が高いのが

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友人:アルコールと睡眠薬

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友人:理由は簡単。違法じゃないし、すぐに入手出来るから。

アルコールなんてどこでも買えるし、誰も止めないでしょ。

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友人:睡眠薬のODも、アルコールでやっちゃう人とかいるんだけど、超危険だね。

薬物の場合は、売人と繋がるのと(ただ、これもネットの普及で今は超簡単らしい)、ある程度の金額が必要になってきますが、アルコール、市販薬、睡眠薬に関してはそこまで難しくないですからね…

薬物の中でも、覚醒剤は高額ですが、違法ドラッグ(例えばLSD等)は数千円単位で買えてしまうので、そりゃ若い子達でも買えちゃうし、ノリで使っちゃうんだろうな〜と思います。

そこで終わればいいのですが、違法ドラッグで最初は軽めの物を使うと、「もっと強い刺激を味わってみたい」という好奇心が高まるそうです。

マリファナはその最たる例で、ゲートウェイ・ドラッグ(薬物への入り口)と呼ばれています。

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友人:日本って、”依存症”を抱えている人は多いのに、

治療施設は多くないし、政府の手助けも無い。

”依存者”自身が自発的、或いは周囲が強制的に治療を受けさせない限り、手立ては無いんだよ。

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友人:治療して社会復帰しても、生き辛さは残る。

人に相談し辛い内容だからね。

どうしようもなく辛くなって、再使用してしまう人も多いんだ。

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友人:もちろん使ってしまった自分が悪いのは分かってる。自業自得。

だけど、せめて再犯させない為に、治療後もしっかり

社会で自立出来るような仕組み作りがあれば、再使用や再犯率も減ると思う。

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齋藤:そこは精神疾患も似たところはあるかもな。結局「各々頑張って下さい」なんだよね。

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齋藤:例えば、パワハラ精神疾患になって仕事を辞めたとする。

精神疾患は休養が凄く大切だけど、回復して転職活動をした時、

自分が精神疾患になった事は伏せて面接を受けないと、あまり好意的に思わない企業は多い。

(実際私は過去に転職活動の時、上司から「精神疾患は絶対に伏せろ」と言われた)

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齋藤:「精神疾患」に対する社会的認識は広まってきているけれど、そういった足枷はあるよね。

こればかりは、他の国と比較してみないと何とも言えないので、鷲尾さんにお願いし、過去にオランダ在住経験のある鷲尾さんの大先輩に、お話を伺ってみました💡

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先生、よろしくお願いします!

まず、話の大前提として頭に置いて頂きたいのが、宗教観の違いと、社会政策に対する考え方が日本とまるっきり異なる(オランダは合理主義の国)という事です。

 

ご存知の方も多いと思いますが、オランダはマリファナなどのソフトドラッグと呼ばれる部類の使用は認められています。(※但し細かく規定あり)

ハードドラッグと呼ばれる、コカイン、ヘロイン、覚醒剤等の使用は認められていません。

オランダは、日本のように「薬物」という一括りの扱いでは無く、ソフトとハードで分類する事により、ソフトドラッグとハードドラッグの市場を完全に分離し、ハードドラッグ市場を厳格に管理しています。

前述の通り、マリファナは薬物への入り口とも呼ばれており、ハードドラッグを使ってみたいという好奇心が煽られるのですが、オランダではしっかりハードドラッグへの入り口を分断し、犯罪化の抑制を図っているようです。

上記の決まり事には、「厳しい政策で薬物を完全追放することは不可能だ」という前提があります。

薬物に対し、薬物使用は公衆衛生の問題であり、犯罪ではない。という考え方があるようです。

オランダは「ハームリダクション政策」と呼ばれる独自の薬物使用者をサポートする政策が取られています。(コレは歴史的背景も大きい)

この政策には、薬物依存者、薬物常用者に対するカウンセリングや社会復帰プログラムも含まれており、きちんと「病気」として扱われ、治療を受けられます。

オランダ在住経験のある鷲尾さんの先輩曰く、「オランダは薬物のケアに関して、世界最高峰の域に入っているので、日本とかなり差異があっても全く不思議ではない」とのこと。

 

上の内容だけ見ると、「オランダすっげー🇳🇱!」となるのですが、日本も同じようにする事は難しいと思います。

オランダは福祉や教育面でも、世界的に高いレベルにありますが、消費税は20%超え、所得税は40〜50%ほどだそうです。

日本人の感覚だと驚きますが、欧州諸国の数字で見ると平均的。

以下、その先輩から教えて頂いたことをご紹介します。

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日本では、違法薬物で依存症になった場合、そもそも違法なんだから、依存症になる事自体が犯罪だということ。

そのような犯罪者の更生に、行政が手厚く支援をする考え方自体が、国民感情的に受け入れられないと思います。

日本人って倫理的じゃないですか。悪いことをしたら自業自得の国。

一方オランダは、前述の通り世界で最も合理的な国民性の国です。

マリファナを含むソフトドラッグは合法ですが、それは決して「マリファナが良い」と思っているわけではなく、犯罪として取り締まるコスト(血税支出)より、合法化して付加価値税(消費税)を巻き上げた方が、国庫としては良い…という考え方からくるものです。(←この考え方が、そもそも日本と大きく違いますよね)

また、国として高いレベルの教育を国民に与えれば、マリファナなどの薬物に手を出す人は減る、という考え方があります。

事実、オランダでマリファナを吸う人の大半は、隣国や南欧の国々からの観光・一般就労で来ている人達であり、合法化されていると身近にあることから、敢えてオランダ人は手を出さないんですね。

それでも尚且つ、薬物依存に陥る人がいると、酷くなって人に危害を加えたりする前に、「ハームリダクション政策」で救った方が、国としては合理的。

とはいえ、この政策の効果は現在もなお賛否両論で議論されております。

 

こればかりは、日本がこの種のことに予算を増額すれば解決する問題ではなく、根本的に欧米諸国のような合理的な考え方より、倫理的考え方が優先されていることが、大きな差かもしれませんね。

日本の場合、「国民全員品行方正であるべき感」があり、「ダメなものはダメ」な国ですので、薬物に限らず、ギャンブル、アルコール、セックスについても許容範囲外の人への支援に人権からの視点はないようですね。

 

また、地理的に島国であり、江戸時代には400年間も鎖国をしていた国であることを、忘れてはなりません。

日本でしか通じない日本語だけを話して生涯が無事終わる国ですので、グローバル化にはまだまだ大きな課題がありますね。

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ありがとうございました🙇‍♀️✨

鷲尾さんの先輩の意見は、決してオランダ贔屓という訳ではありません。(過去に在住していた国がオランダだけではないので)

海外の実例も踏まえつつ、客観的視点で「日本」という国を見ていらっしゃいます。

大陸で地続きの他国に比べると、日本はやはりどこか閉鎖的なんでしょうね。(前述の歴史的背景もありますが)

っていう話を深掘りすると本筋から脱線してしまうので(笑)、皆さんそれぞれ自由に考えて頂ければと思います!

人生再構築中の友人が見せてくれた「人は変われる」事の片鱗

「好奇心が強かったから使った」と語る彼女ですが、根本的に、純粋なバカなんですよね。笑

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いい奴過ぎるし、おバカ過ぎる。笑

ただ、「責めるべきは彼女だけなのか?」と考えると、私は必ずしもそうでは無いと思います。

そもそも、中学生の女の子が、進学を考えず、「家を出て自立したい」と思うようになった背景には、想像を超える悲惨な家庭環境があったのだろうと思います。

数年間、彼女は極貧生活を送っていましたし、義理の母親が突然失踪し、父親が精神的に参っていた時期もあったと言います。

そんな状況下で、「家に居るのが辛いから、早く自立したい」と彼女が願ったのは、必然だったのかもしれません。

16歳の女の子をまともに雇ってくれる場所なんて限られていますし、増して一人暮らしとなると、お金が必要だったのでしょう。

そんな中、悪い大人に出会い、大きく人生が変わりました。

それでも彼女は、両親も義理の母親も、薬物を教えてくれた人も

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誰のことも恨んでないよ〜。

と、明るく返してきます。

過去の生い立ちも、きっと大変な想いをしたはずなのに、彼女はいつも明るくあっけらかんと話すんです。

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齋藤:お前ってさ、大変だった体験も、あっけらかんと話すよね。

だから内容は壮絶なのに、どこか重厚感が無いというか…

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友人:なんていうか…重く話したくないんだよね。

聞き手側に自分の話で暗くなってほしく無い。

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齋藤:私は、お前のそういう優しい思いやりが

誰に対しても分け隔てなくあるところが好きだよ。

彼女が普段から意識している考え方は、私自身、見習う点ばかりです。

治療の過程の一つで、彼女自身の性格や考え方の改善が必要になってくるのですが、彼女が普段から人と関わる上で意識しているのは、相手の長所を見つけようとする事です。

コレって、普段から無意識に出来ている人、果たしてどれだけいるでしょう。

彼女は人の悪口を言いませんし、粗探しもしません。

ネット社会のこの世の中、一体どれだけの悪口や誹謗中傷が溢れているか。

彼女がよく言う言葉が

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人の粗探しって簡単だと思う。

だけど、人とコミュニケーションを取る上で、

相手の短所ばかりに目を向ける事って、自分にとってメリットが無いと思ったんだよね。

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それよりも、長所に目を向けて接する方が、あたし自身も気分が良いんだ。

彼女自身が意識して、改善するようになった考え方ですが、当たり前に出来ない人が多い中で、彼女は数年前からガラッと考え方を変えてみせました。

 

また、以前の彼女は相手に思った事をズバズバ言う子だったのですが(良く言えば”サバサバ”、悪く言えば”無神経”)、そういった発言も無くなりました。

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齋藤:前は結構キツい事、サラッと言ってたよね。笑

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友人:当時は無自覚だったんだよね>< 

自分の発言が相手を傷付けているって自覚が無かったんだ。

でも、今はそこも意識して、気を付けて発言するようにしてる。

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齋藤:お前は知り合った頃から努力家だね。

「自分の性格のここは直した方が良い」って気付いて意識して、

改善出来る人って、そんなにいないよ。

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友人:そうなのかな〜??

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齋藤:私はお前の考え方や人間性を尊敬するよ。

こうして再度交友関係を持つようになって、

私に新たな価値観や知識を教えてくれた。

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齋藤:自分に自信を持ちなよ。

お前ほど人間が出来た奴は滅多にいないから!

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友人:そうかな…ありがとう。

彼女は薬物を絶ってから、後遺症などの影響から、仕事や日常生活に様々な支障が生じ、今まで出来ていた事が出来なくなり、自信を持てなくなっていました。

周囲に事情を相談出来ないので、彼女の中でモヤモヤしていたようですが、彼女の真っ直ぐに自身の性格と向き合い、改善させた現在の姿は、私にとって尊敬に値します。

「過去」というものは、人間の真の平和をがんじがらめにする 

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「過去」に打ち勝てという試練

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友人:元彼と別れてから、薬物を辞めて治療するってなった時

正直「人生詰んだー」と思ったよね。笑

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友人:でも、また再出発^^

今はまだ、はじまりにすぎないよ。

彼女には失礼ながら、念の為確認で

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齋藤:ごめん…失礼を承知で聞くけどさ、私に他に嘘ついてる事とか、隠してる事無い?

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友人:もう無いよ。でも、あたしを信じれなくなる気持ちも分かるよ。

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齋藤:昔のお前って、顔色一つ変えずに嘘付いてたんだなーって考えると、ホント凄いよね。

本当に今も嘘をついていないか、疑心暗鬼になっちゃった。ごめんね…

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友人:シャブ中ってだいたい嘘つきだからね。嘘を吐き慣れてるんだよ。

今は嘘つくとか無理!挙動とか言動全部に出るよ。笑

友人の”過去の行い”を、否定も肯定も、するつもりはありません。 

私は良くも悪くも他人の行動に無干渉なので、人の話を聞く時も、あまり感情移入しないようにしています。(でも癖でリアクションだけは一丁前らしいw)

冷たい言い方ですが、「私の人生じゃないから」という考え方が大前提。

彼女が今後の人生で、また誘惑に負けてしまったとしても「はいはい。笑」程度でしょう。

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「原因は何?」ぐらいは聞くかも。

(ピッツア🍕ラティ)

「友達なら注意しろよ!」と思われそうですが、私の人生じゃないし。

他人の指図で生きる人生なんて、そんなの自分の人生じゃない。

友人には友人の考え方や価値観がある。

私には無い考え方を持っているから、いつも新しい発見をくれる。

彼女から”依存症”の話を聞いて、今まで自分が知らなかった問題について、自分なりに調べて考えるきっかけになりましたし、そんな機会を与えてくれた友人に感謝しています。

そんな”彼女の存在”を否定したくありません。

寧ろ、自分の意思で治療と改善の方向に努力している姿を尊敬していますし、頑張っている彼女を応援したくなるのは、やっぱり彼女の為人が好きだからです。

 

彼女とは暫く会えませんが、またお互いに成長した姿で、再会出来る日を楽しみに待ちたいと思います。

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正直、私の話を聞いてもらう事の方が多いんだが。笑